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スタッフコラム

2022.04.25

【賃貸VS持ち家論争】~老後を考えると…どっち?その②

【賃貸VS持ち家論争】~老後を考えると…どっち?その②

【賃貸VS持ち家論争】~老後を考えると…どっち?その①からの続き~

老後はグレードダウンを前提とする賃貸派とグレードダウンしなくてもよいという選択肢を持つ購入派

老後の事を想定すると、「子供が自立して夫婦2人になったら安い家賃のところに引っ越せばいいじゃないか」と思われる方も多いと思います。
実際に夫婦2人の生活で3LDKファミリータイプは過剰ですし、年金収入の中から月10万円の家賃を負担するのも現実的ではありません。
ですから賃貸派は老後にはライフスタイルに適した住空間にグレードダウンをすることが合理的なのです。

※シミュレーションでは移住を想定していないため、すこし矛盾を感じるかもしれません。
しかし子供が独立してから移住というテーマは購入派ができないわけではないので今回は割愛しています。(家を売却して住み替えれば良いだけだからです)

ですから少し視点を変えてみます。金銭面だけではなくソフト面に目を向けます。
たとえば、「実家」という概念があります。様々な概念があるとは思いますが、
一般的なイメージは、大型連休などに子が孫を連れて帰省する先が実家という概念ですね。

賃貸派は現実的に老後の住居のグレードダウンを余儀なくされるので、帰省先の実家という概念が崩れます。
夫婦二人だけが生活するスペース(例えば2DKていど)に、孫を連れて帰省した子供世代が数日間滞在するのは現実的ではないかもしれません。
つまり賃貸派は実家において、大型連休などにおける子供世代との過ごし方を変えることは必須となります。

購入派はどうでしょうか、ローンを完済した家はまさしく資産です。
そのまま住み続ければそのエリアでは格安の経費で住むことができるようになります。
かつて子供達が育った家なので、年末年始に帰省してきても対応できますね。
購入派にとっても夫婦2人の生活で3LDKファミリータイプは過剰ですので、売却して住み替えることも可能です。

ここでも違いは「老後にグレードダウンを余儀なくされる」か「グレードダウンしなくてもよいという選択肢を持つ」かで、老後の生活の質に大きく影響を及ぼす違いだと言えます。

ローン返済後は資産は消えてなくなるわけではない

先ほどのシミュレーションに戻ります。
トータルコストが購入派:6094万円VS賃貸派:5655万円、その差400万円と計算しました。
46年間で400万円の差なので微々たるものと言えますが、この差を取り上げて賃貸派がお得だと主張する方がいます。

確かに実際に動いたお金は計算した記載額の通りなのですが、賃料は支払えばそれっきりですが、ローンを完済すれば不動産という資産は残ります。

「新築で買ってもローン完済時には築35年をこえた不動産は二束三文にもならない、だからとても資産とは言えない」というのが良く聞く賃貸派の意見なのですが、築35年の物件がいくらで取引されているのか、調べてみればわかるはずです。

ちなみに固定金利で返済総額4200万円のローンだと物件購入額は約3300万円ということになります。
3300万円の物件が400万円未満でしか売れない、もしくは買い手が付かないのであれば賃貸派がお得と言えますが、現実的に3300万円の物件が400万円以下の資産に下落となるとは非常に考えにくいです。

ローンが返済できなくなるリスクはありますが、それは家賃を支払えなくなるリスクでもあります

賃貸派の主張で多いのが「失業や収入減などでローンが返済できなくなるリスクが…」というものがあります。

確かに収入が減少するとローンが返済できなくなり売却を余儀なくされます。
購入からの期間が短いと残債が残ってしまうことも多いでしょう。(特に新築を購入した場合)
住む家を売却し、場合によっては今のエリアよりも相場安いエリアへの住み替えを実行しなければいけません。

しかし収入が減少すると住み替えを余儀なくされるのは賃貸でも同じではないでしょうか。

今回の想定はローンの返済額も家賃も同額で設定しているので、ローンを返済できなくて移住を余儀なくされるくらい経済的にひっ迫した状況に陥ったら、当然家賃も払えないので安い地域へ住み替えるしかなくなります。
住宅購入時に挙げられるリスクは、実はそのほとんどが賃貸にも当てはまるのです。

もちろん購入派限定のリスクがないとは言いません。

代表的なものは自然災害などの災害リスクです。
家に住むことができなくなったら再建費用などを負担しなくてはならなくなります。

火災保険や地震保険などでカバーできる範囲もありますが、
特に戸建てを購入する場合は、その地域のハザードマップをよく確認して、より災害リスクの低いエリアを選択する対策が必要かもしれません。

賃貸派のメリットで「住むところを自由に変えれる」が挙げられますが、このメリットを行使できる人はごくわずかと言えます。
ご夫婦のお仕事や子供の就学環境を考えると、賃貸と言えども自由に住む場所を選べるとまでは言えないからです。
今回のシミュレーションでは10年に1回の引っ越しと想定していますが、10年に1回を超えるペースで引っ越しを行うと、その分コストがかさみます。
また、真新しい住居に住み替えできると思われている方が多いのですが、賃貸にも新築プレミアや築浅プレミアはあるので、真新しいというよりはそこそこの物件を渡っていくというイメージが現実的と言えます。

つづく

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